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![]() 弦楽器の表板、FAZIOLIピアノの共鳴板に使用されている樅の木がアベーテ・ロッソ。 その群生地が、国有林ヴァール・ディ・フィエンメー(Val di FIEMME)という場所。 写真の場所は、標高1200mほどの山の案内所そば。 この辺りはまだまだ入り口! ![]() 「R」のマーキングがされているものが製作者に流れるとか・・・。 しかし、ルカの判断は使えない。 果たして、ルカ・プリモンのように山に入り、自分の目で材料を判断している制作者がどのくらいいるのだろう? マエストロ・モラッシー、ルカ・ズベルニーニは確かに山に入る。 そして、自分で木を探す。 ![]() 150-200年の年月を経て、彼達は50mほどの大木に成長する。 誰が植林したわけでもなく自分たちの力で真っ直ぐと伸びてゆく標高1700m地点。 そこに群生し隣り合う木々でも、楽器の材料として使えるものと使えないものとに分かれる。 その理由が分かりますか? ![]() その答えは写真の中にあります。 節が多かったり、ねじれていたり、そして病気であったりと・・・。 切り出され、商品化された材料ではそれが見えない。 いらない部分をそぎ落とした材料では良い部分しか見えないのです。 50mほどに成長した木でも、楽器の材料として使える部分って何mほどだと思いますか? 上の写真の中には、楽器の材料として適している木はたったの1本。 その1本の10mしか材料としては適していないんです。 ![]() ←この写真の説明ができる職人が何人いるでしょう? これは、マスキャトゥーラが入っていることを意味しています。 マスキャトゥーラとは、木目に入る模様です。 音の響きにふくみを持たせると考えられています。 制作や修理、そして販売に携わるものは一度は山に入るべきだと思う。 そして、もっと木を知るべきだと。 それは私にも言えます。 もっと、もっと理解を深めろ! そこからはいろいろな制作や修理、楽器に必要な大切なものが見えてきます。 ![]() それがマスキャトゥーラ! ![]() 早起きをして山に連れて行ってくれた、ルカに感謝。 ありがとう。 ![]() 山から下りて遅めの昼食を取ったロッジのマリーノは気さくな良い子でした。 鹿肉の煮込みとキノコ、そして土地の名物ポレンタは格別でした!! ■
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by futuro-migliore
| 2006-10-14 09:35
| 仕事 Il Lavoro
休養先のフランスから戻った翌朝はナント4時半起き・・・(-_-;)
この日、ホテル・マキィャヴェッリは全館トイレの水が止まるというトラブルが・・・。 出掛ける頃には、問題も解決していたので安心だったんだけど! で、何のために!? 5時前にはTAXIに乗り込み、2時間半睡眠のハイテンション男とお喋り好きのオヤジ・・・。 想像つきますよね。 あっという間に、ルカの工房前ですよ!!(笑) で、行って来ましたトレント経由のヴァール・ディ・フィエンメー(Val di FIEMME)*! キコリです樵(きこり)! ![]() そんな、1個採っただけで500ユーロの罰金だなんて払ってられません! 点在する鹿の糞から推測すると、犯人は逃亡中なんですね・・・。 ![]() そう、表板を探しに片道3時間の山の中・・・。 途中、ルカの生まれ育ったトレントを散策してきました。 歴史は古く、オーストリアの統治下にあったころ都市整備が整い、その面影も随処に垣間見える街のつくり。 ![]() ポセイドンの噴水が山の中に何故? かつて、この場所をアディジェ川が流れていたらしく、川を埋め立て道路を整備したのが道のカーブからも見て取れるんです。 また、ローマ時代の遺跡が発掘され、そこからも当時の道がどのように整備されていたのかも。 水に恵まれた都市としてポセイドンが今の場所にいるんですね。 お邪魔した14日の朝刊には、ルカの記事が紹介されていました。 まさに、申し合わせたかのようなサプライズな出来事でした。 ![]() さッ、山に向かいましょう! ■
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by futuro-migliore
| 2006-10-14 04:30
| 仕事 Il Lavoro
![]() プロペラ機なんて乗ったことってあります? そんな小さな街に何を探しに行って来たでしょう? 飛行機、バス、TGV、ノーマル電車を駆使して内地へ! そこにも音楽院がありました。 左の写真がそう。 右の写真はミラノのGiuseppe Verdiです。 ![]() ![]() ![]() ナント、そこには街で唯一の工房がッ!! こんな小さな街にもあるんですね! 作業台の上にある材料で何処の国の材料かわかった人は、 何者・・・。 これは、フランス・ミルクール材ですね! 工房主もミルクールで勉強したとか。 その工房主は、Katelinaという女性の方でした。 ![]() ![]() ![]() 最近ではTVのCMでも取り上げられていた、ゴッホの「夜のカフェテリア」を探しに行って来ました。 そこは、ゴッホが描いた当時のまま残っていました。 たまには、息抜きした5日間でした。 ■
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by futuro-migliore
| 2006-10-09 13:39
| 生活 La Vita
![]() ちょうどミラノはシティーマラソン当日。 天候にも恵まれ、ということもあってドゥオーモ界隈はこんな感じ! Galleriaの正面入り口がゴールなんですね。 ![]() Galleriaは何のために作られたのかご存知ですか? 昔々、お姫様がスカラ座にオペラ鑑賞へ出掛けられる際、雨の日も濡れなくて済むように作られたんですよ! 大阪ミナミの花月や新喜劇を見に行くためのアーケードとはエライ違いです!! Galleriaの中心には闘牛のモザイクが埋め込まれているのですが、そこの窪んでいる部分に踵を据えて3回転する! これは、もう一度ミラノに戻って来れますようにというお呪い! みんなが回るから、闘牛の大切な部分は・・・。 行かれたらみんなも回って下さいね! ![]() で、ここがRicordi内部の楽譜棚。 手前からヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの順で楽譜が詰まった引出しがあります。 ここで見つからなかったら、ミラノのコンセルヴァトーリオ(Conservatorio)音楽大学の図書館に行くと大概が見つかります。 が、一般の入館は出来ないと思います。 なら、どうすればいいかというと。 コンセルから北に真っ直ぐ(Via Conservatorio)進むこと100mほどの場所にピアノ屋さんがあるので、そこにも楽譜が置いてあります。 探される場合は気にとめておいて下さいね! ピアノ屋さんの脇道をサン・バビラ(S. Babila)地区へ向かうと、ミラノ派を代表する製作者Antoniazziの工房があった場所に行き着くはずです。 今は家具屋さんというかクッションや銀食器を扱うお店になってますけどね。 興味があれば探して下さい! 因みに、G. Ornatiの工房跡は旅行代理店です!! ■
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by futuro-migliore
| 2006-10-08 10:33
| 仕事 Il Lavoro
![]() 今年で72歳になるんだけどそのパワーに感服。 ブースの壁が綺麗ですよね! 会場全体の色がこの色に統一されていています。 ![]() さて、マエストロ・マルキさんを紹介しましょう! 写真右がマルキさん。 トスカーナのシエナ出身のマエストロですね! 楽器を手にしてるのは、写真には写ってないんだけれど演奏家の試奏に応えるためセットアップをしている最中をパシャリ。 下は、弓職人マエストロ・ペドレッティさんね! ちょくちょく僕のサイトにも訪問しているらしい・・・。 クレモナから車で45分くらいかな、ブレーシャの小さな村で制作活動を行なっておられます。 ![]() ![]() 彼が僕の学校の先生だった マエストロ・ダニエレ・スコラーリさん! 声がガラガラだったからカラオケにでも行ったのって聞いたら間髪いれずCoro(歌)やぁ~! 参りました・・・。 ![]() 先日、ファビオには「黒ヒゲ危機一髪ゲーム」を送っていたんだけど、まさか夜毎みんなではまろうとは・・・。 日本のフェアにも来日予定だから声を掛けてみて下さいね! サンドロは元の体重に戻ってしまったね・・・。 嫁さんミーリアムも加わって、この後食事に行ってきました! 最近は、ますます磨きの掛かった仕事をしてますよ!! ![]() 最後は家族思いのステーファノ! この日も家族揃って会場にいましたね! デカなった2人の子は、どちら似なんだろうね? この会場をウロチョロしてると捕まるわ捕まるわ・・・。 10mごとに捕まってたんじゃないかな・・・。 でもあの頃やっぱり、本当にみんなに支えられて生活していたんだなって痛感致しました。 そして今も変わらず支えてもらってるんですよね! ここまで鍛えてくれたみんなに本当に感謝しています。 大切なのは初心忘るるべからずです、本当に!! ![]() そうそう、フィレンツェ歌劇場のアンナとミカエレも来てましたよ! ルイージとリタの姿は何処かに行ったしまいましたね・・・。 ![]() フランスで活躍されている笹野さんの仲間達のブースがこちら! 流石にフランス! お洒落なブースでした。 ルカの登場がないですよね! 後日、ドカンと登場しまっせ!! ■
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by futuro-migliore
| 2006-10-07 13:20
| 仕事 Il Lavoro
![]() 入るにも人数制限があった会場で待ち時間を利用して撮った2枚の写真 展覧会内部は撮影できなかったのが残念・・・。勢いで写せば良かったね!!(笑) 一枚はアマーティファミリーの解説ですね。 内容は、始まりと継承、何処に工房を構えていたとかというもいのです。 待つこと30分くらいかな、中に入れてもらえたのが。 僕らを追うように下の写真の人物が入場してきたんだけど誰だかお分かりになられますか? この方をお分かりの方は、相当弦楽器通ですよ!!(笑) 名だたる名器は、彼のパパさん爺様達の下を離れていったんですから。 もうお分かりになられましたか? 一通り観終わったころ、彼が会場入りしてきたのは。 これからが観る楽しみを倍増させてくれたんです!! ![]() 次世代を担う弦楽器業界のプリンスですね。 因みに余談ですが、彼の誕生日と私は同じ日なんです!! 彼の後を追うようにして、彼の視線で楽器を観る楽しみを勉強させて頂きました。m(_ _)m ペンライトを片手にフムフム、ナルホドの連続! 観えにくい部分まで、ライトのおかげで観やすくなって新鮮に状態を把握できるんです。 ニスであったり、修復跡であったり、それにf字孔内部もそうです。 やっぱり楽器はものを言いますね! 結局2回以上観て周ったけど、作品の素晴らしさは400年経った今でもオーラを放ってました!!! ■
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by futuro-migliore
| 2006-10-07 10:11
| 仕事 Il Lavoro
今日から3日間、人口71.533人(01-12-05現在)のクレモナは5000人ほど増えて
76,533人ぐらいになる!・・・もう少し多いかな。 そう、モンドムジカ(Mondomusica)なる弦楽器フェアが開催されるんです。 弦楽器に携わっているものなら誰でもがウズウズする日々、その雰囲気を!! ![]() 今回はその報告を中心に書いて行きたいと思います。 そう、今回もお土産は当然福砂屋の 「カステラ」!! 本人はしばらく口にしてないことに 書きながら気付きました・・・。 そんなことどうでもイイって・・・、 ハイハィ~!! ![]() ここクレモナは言わずと知れた弦楽器の街ですよね! 今年は3年に一度の制作者のコンクール、トリエンナーレ(Triennale)*があったり、目玉のDNA アマーティ(Il DNA Degli Amati)があったりとお祭りモード!! *3年に一度だからTriennale これが2年に一度だとBiennale ---有名なのはヴェネツィアですね。 4年に一度、5年に一度は訊かないで・・・。 そのトリエンナーレは寂しい結果に終わりました。 ヴァイオリン、ヴィオラ部門共に1位なし チェロ部門だけが唯一、Francesco TOTOの優勝! ![]() それに、今年の目玉は 「Il DNA degli Amati」(アマーティのDNA) アンドレア・アマーティ(Andrea Amati)はクレモナ派の創始者と知られてますよね。 その孫、ニコロ・アマーティ(Nicolo Amati)はストラディヴァリの師匠としても有名!! そのアマーティファミリーの作品が一堂に会しての展覧会は、モデナの博物館の倉庫整理をしていて出てきたというオリジナル・ニスそのままのヴィオラや全てが当時のままの分数楽器の展示もあり素晴らしいものでした!! これだけのものを集められた努力に感服。 ビックリはこれで終わりませんよ!! その続きは後日ということで・・・。 ■
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by futuro-migliore
| 2006-10-06 10:39
| 仕事 Il Lavoro
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